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(2002.6.15 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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(70鞍目からのつづき)

11時のレッスンが終わったあと昼食を摂り、13時からは相方がハイセイコーJR.で馬場レッスン。見学したり、他の会員さんたちとおしゃべりしているうちに、あっという間に15時半になってしまいました。障害レッスンは16時からですが、アルフォンスは(くどいようですが)馬装に時間がかかるので、早めに準備しないと。
アルの馬房に迎えに行き、馬繋場に出すところまでは順調。ひづめの裏掘り、軽くブラシをかけて、鞍も問題なく着けられました。しかしハミをかけるにはまだ早いかな、でも時間かかるしなー・・・「アル、プロテクター着けてくださいね」スタッフのA木さんから声がかかります。そうだわ、障害だから馬の脚にプロテクターを着けてやらないと。前回はK野さんにやってもらったけど、これも自分でできるようにならないとね。
「A木さん、着け方教えて?」「プロテクターのベルクロ(マジックテープ)の端がね、後ろ向きになればいいの。こう巻いて、その先が後ろを向くように」なるほど、前向きに着けちゃうと引っかけちゃうよね。言われたとおりやってみると、「あ、ちょっと待って。プロテクターね、本当の場所より少し上で締めてあげて、それから下に下ろすの。そしたらぴったりするから」プロテクターは馬の脚の球節を守るように装着しますが、それより少し上の細いところで軽く締めておいて、それを下にずらすと無理なくフィットするということのようです。昔印刷所でバイトしてたときに習った、冊子の包装と同じ要領だわ。(かなり違う・・・)
頑張って四肢とも装着してみましたが、ひとつベルクロが弱くなっていてきちんと止まりません。「A木さん、こういうのどうしたらいいのー?」「あー、そういうのは紙テープで上から留めます。そうじゃなくても、全部やるのがいいんだよね」裏粘着の紙テープ、サージカルテープのようなものをベルクロの上からさらに巻いて止めます。紙テープが派手な水色のため、遠くから見ると「かっこいいねー、競走馬のバンテージみたいだねー」黒いプロテクターの上に、きれいな水色のラインが二本。

さてアルの難関、ハミかけ。まず手綱を首にかけようとすると、自分から首を下ろしてきました。珍しいな。無口を外してそのまま右肩にかけ、左手でハミをもって、右手で鼻を押さえつつ勒を引き上げる。やっぱり上手くいかない。以前F田さんに教えてもらったように、ハミを持った左手の親指を馬の口角から入れてアゴを押し下げるようにし、ハミを入れたら入ったので、逃げられないうちに右手を上へ、かかった!初めて誰の助けも借りずに、アルフォンスに頭絡を装着できました。他の馬なら当たり前のことが、すごく嬉しいぞ。
馬場へ出ようと手綱を引くと、突然立ち止まる癖が出ました。クラブハウスのほうから「おーい、早く出せー」とI野先生の声がする。出そうとはするのですが動かない。周囲にいた人たちがアルのお尻を軽くたたくなど助けてくれて、ようやく歩き出しました。

馬場へ出ると、障害らしきものが全く用意されていません。まず蹄跡でならしてから、横木からじっくりやるのかもしれない。今日の指導はK野さんで、彼の指導はわりと慎重派だから。
馬場の真ん中でアルを止め、K野さんが持ってきてくれた踏み台で騎乗。腹帯などを調整しながら、「K野さん、アルのハミひとりでかけたよ!」と報告すると、「うっそだぁ〜」だって。信用してよ。
鐙の長さ、短くしておいたつもりなのですが「ちょっと鐙脱いでみてください」と言われ、鐙を脱いでチェックしてもらうと、「長いですね、もうひとつ短くしてください」一穴短くして、今度は鐙の上に立ってみる。「これでもまだ長いです。もうひとつ短くしましょう」私が鐙を短くしている間に、相方のほうをチェックに行こうとするK野さん。「あのー、K野さーん、穴がないんだけどー」左右で鐙革の穴の位置が違ったらしく、左の鐙は大丈夫なのですが、右の鐙を同じ長さにしようと思ったら鐙革に穴が空いていなかった。K野さんを馬上から呼び戻して、鐙革を鐙に巻き付けてもらって長さを調節。普通に鞍に座っていると、足がほどんど「く」の字になる長さです。馬場での長さより3穴か4穴短いくらい。

とりあえず相方のJR、私のアルフォンスの順で、蹄跡を左手前で歩きます。
11時に私が乗って、14時にまた他の人が乗っているのに、まだ重いアルフォンス。がんがん蹴って行きます。K野さんが長鞭を持ってきて、「長鞭欲しい人、100万円ですよー」「うっそ、物々交換じゃダメ?」私の持っていた短鞭と取り替えてくれました。さっきのレッスンでは意地を張って長鞭使わなかったのに、あっさり崩れ去る決意。
「2ポイントは知ってますか?」えーと、こないだやった前傾立ち乗りのことだよな。本などで読んで、なんとなくこうかなと思ってやっているだけで、きちんと教わってはいないかも。「こう?」とやってみましたが、相方のほうは前傾立ち乗りもちゃんと習っていないので、できていない。あらためてきちんと教えてもらいました。
「馬に当たる部分がふくらはぎ2点だけっていうのが2ポイントです。鐙に立って、前傾してみて下さい」鐙に立って腰を曲げ、手綱を短く持って前傾します。「もっとバランスを後ろに、腰引いて下さい」これはけっこう難しい。普通に立って、ただ上体を前に倒すだけならそんなに難しくないけど、その状態から腰を後ろに引き、中腰にするわけですね。「そうそう、この姿勢ってなぜか女性のほうが簡単にできるみたいですね」「私はもとがへっぴり腰なもんだからねー」馬に乗り始めた頃の自分の写真を見ると(例えば17鞍目)、かなり腰が後ろに引けているんですけど、障害の場合はそのほうがいいらしい。
1周ほどその姿勢で常歩をしたところで馬を止め、あらためてK野さんから姿勢の指導。「脚は、内方少し前で、外方は少し後ろに引いて。両足で一本の棒の上に立つよりも、2本に分けたほうがバランスがとりやすいでしょう」「そうか、ハシゴに立つような感じ?」「そうです」
その姿勢のまま、常歩から速歩へ。だんだん腰が痛くなってきた。「決して楽な姿勢じゃないですからね、2ポイントは」楽じゃないっていうか、しんどい・・・

蹄跡に横木が3本並べられ、横木を避ける形で軽速歩。ときどき2ポイントの練習をしながら軽速歩で走りますが、前を行くJRも重そうだけど、アルもなかなか歩度が伸びない。
「じゃあ次は横木飛びましょう。ちょっと前から2ポイントにして入って下さいね」横木が並べられた3メートルくらい前から「ここから2ポイントで」2ポイントで横木を渡るとき、やはり3本目で少しバランスを崩して拳をアルの首についてしまいました。「この辺でバランス崩してちゃダメですよ、通り抜けてしばらくはそのままの姿勢で頑張ってください。隅角ぐらいまで我慢して」
横木を抜けた次の隅角から、軽速歩で歩度を伸ばしていき、横木に入ります。なかなか最後まで2ポイントの姿勢を維持できません。そうだ、前に崩れるってことは、かかとが下がってないんだ。先週、紅葉台で駈歩したとき、反動ごとに鐙を踏み込むよう指導されたのを思い出し、軽速歩だけど応用することにします。

ずっと左手前で横木またぎをやっていましたが、斜めに手前を変えて右手前でもやります。数周やって、なんとか2ポイントが維持できるようになってきました。
「体重ちゃんと鐙に乗っけてくださいね」
『乗馬ライフ』にも「鐙を切るくらいのつもりで強く鐙を踏み込んで」と書いてあったっけ。前回I野先生にも「鐙を踏む力が弱い」と言われたし、今日のテーマは鐙の踏み方だな。
左手前に戻し、少し常歩で人馬ともに休憩。その間に、左手前から見て3本目の横木が、低いクロスバー障害になりました。15センチくらいかな。
軽速歩を出して、2ポイントで障害へ。横木2本をまたぎ、3歩目でクロスバーを飛ぶという感じなので、前にクロスバーだけやったときより衝撃が大きかったかも。前に横木があると、馬も勢いがつくのかな。
「なんにもしなくていいですよ、馬の邪魔だけしないで。馬が勝手に飛びますからね」
前回は馬の首の動きに拳を合わせて、とか考えていたんですが、今回はとにかく鐙を踏むことだけに集中することにします。

クロスバーの高さが少しずつ上がっていきます。
高さが上がると、もっと軽速歩の歩度を伸ばして勢いつけないと飛べないな。クロスバーを飛んだあと、軽速歩で脚をどんどん入れて追います。アルは障害を飛んでやる気が出てきたのか、スピードが出てきました。ですが、スピードが出るとどんどん内にささっていく。きちんと外を回らせないと、障害に真っ直ぐ入れないので、手綱と脚で外に持ち出します。
目の前で、ハイセイコーJR.が斜めに障害を飛んでいきました。あれでよく飛ぶなぁ、JR.。
「顔あげて、下見ないで」前を見ると、ちょうど鏡が目の前。鏡の中の自分と目が合うような感じ、これで行こう。

K野さんが少しバーを高くして、「じゃあこれで最後」。よし、思い切っていくぞ。
軽速歩で回ってきて、障害へ。うまく飛べた、と思ったんですが、着地のときにバランスを崩し、鐙の上で前につんのめってしまいます。あっ、落ちる。鐙が外れなかったのを幸い、両拳を馬の首について持ちこたえようと思ったら、左手には長鞭。やばい、鞭が当たったら馬が走っちゃう。とっさに左手を避けると余計バランスが崩れてしまい、右手の拳をつくのは間に合わずに一の腕をつきました。
アルが常歩に落ちてくれたので、なんとか落ちずにすみました。
ちょうど鏡の後ろの馬繋場からこっちを眺めていたQさんが「あぶねーよー」と苦笑い。「大丈夫ですか?どっかぶつけました?」とK野さんも心配してくれました。いや、ほんとに初落馬かと思いました、自分でも。

馬を常歩に落として沈静化。K野さんがバーの高さを測っています。「今ので60センチです。最後が70センチだったんですけどね」おや、前回より高くなってないか。70センチはまぁ、飛べたとはとても言えないか。
腰や膝を伸ばしたくなったので、常歩しながら立ち乗り。立ち乗りでバランスをとるのも、ちょっと前までは辛かったんだけど、「立ち乗りで休憩しよう」と思うくらいになってきました。前回の紅葉台のレッスンが効いているかもしれません。
ついでに常歩のまま、2ポイントの姿勢を練習。「障害はレッスン時間少ないですからね、こういう歩いてるときにも練習すると良いですね」
「おふたりとも障害二回目でしたっけ?」「うん」「二回目でこれくらいできたら、まぁいいですよ。今の姿勢に慣れたら、だいたい飛べますから。そうですね、5回目くらいには」「5回っ?あと3回でマスターしなきゃなんないの?」「まぁ頑張ってください」
気になったので、ついでに聞いてみる。「K野さん、私かかと下がってた?」「いや、下がってはないですね。まぁそのうち慣れますよ」やっぱり下がらないか。飛んでいるときに鐙が深く入ってしまったりしたので、たぶんそうだろうとは思っていたんですが。

下馬し、馬繋場に引いていく途中、またアルフォンスは私の肩先に鼻を近づけてふんふん言っています。はいはい分かったよ、よくがんばりました。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
(前回の障害とちょっと違う)


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