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(2002.8.17 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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夏休みの乗り納め、今日は16時の予約。一応早めに、14時に倶楽部に着きました。
ホワイトボードを見ると、私がウィンダム、相方が美星。そっかーウィンダム、今日は駈歩持続させてやるぞー、なんて思っていると、ママさんが「高階ママさーん」「はい?」「時間大丈夫だったら、15時にロゼッタに乗らない?」まだ14時になったばかりなので、馬装を14時半に始めるとしても十分間に合います。「ロゼッタ?いいですけど。」見ると、15時は2頭部班だけど、16時は5頭部班。これなら少ない方に行ったほうがいいし、先週ロゼッタで駈歩を出すのに時間がかかったので、ちょっとやり直してみたい気もする。「K野が、高階ママさんが乗るならって下乗りしたし」「じゃあ、ロゼにします」ということで、私が15時からロゼッタに変更、相方は予定どおり16時から美星に乗ります。

14時半ごろ、ママさんから「今日は馬繋場が混んでるから、ロゼッタ早めに出て下さい。出て常歩しててもいいし」ということで、早めにロゼッタの馬房に迎えに行きました。
いつものように右半身を壁にくっつけて立っているロゼッタ。馬房に入り、無口をかけるのでロゼの顔のそばに踏み出そうとして、ふと下を見ると、オガに隠れてボロが。危うく踏むところだった…
馬房から連れ出し、馬繋場につないでひづめの裏掘り、ブラシかけ。前回と同じく、右側のたてがみの下をブラシしてやると「もっとぉ〜」と首をこすりつけてきます。つねにたてがみが右側に倒れてる子だから、たてがみのかぶさってるところがかゆくなるのかな。Eさんに馬専用虫除けをお裾分けしてもらいました。レモンの香りでいい感じ。

ブラシを終え、装鞍し終わって時計を見ると、14時45分。前のレッスンが14時50分に終わるので、そこまで待ってハミをかけ、前のレッスンの終了挨拶をしている間に馬場に出ます。
並んでいる馬たちの横にロゼッタを止まらせ、マルタンガールをハミに通している間に、K野さんが踏み台を持ってきてくれました。
「K野さんが私のために下乗りしてくれたっていうからさ、ロゼに乗ることにしたよ」「え、そういうわけじゃないですよ」「そうなの?そういうことにしとけばいいのに」「あ、そうそう、高階さんのために乗ったんですよ!」「とってつけてるよー(笑)」なんてことを言いながら騎乗、腹帯を締めて鐙を合わせます。レッスン開始まであと10分近くあるけど、とりあえず蹄跡で常歩してようかな。

10分もあるので、できるならレッスンが始まってから苦労しないよう、ロゼッタのエンジンをかけておきたいな。最初は手綱を緩めにして好きに歩かせましたが、すこしずつ脚を使いながら手綱を締めていきます。
今にも止まりそうな常歩のロゼッタ、まだレッスンじゃないのでムチを使うのは控え、脚で追うだけにします。気がつくと馬場にSさんのロッキーとビジターくん(高校生らしいけど、乗り慣れてる)のアルフォンスが出てきていて、後ろについてきていました。その順番のままローリングスタートで、いつのまにかレッスン開始。今日の指導はK野さんです。
K野さんに「もっと元気良く歩かせて下さいねー」と言われたので、肩にムチを入れます。ほかの馬より10分も早く準備を始めているので、この時間にしては良く動いてるじゃん、ロゼ。
「じゃあ速歩行きますよ。歩度を詰めー」まだレッスンが始まって5分も経ってないと思うけど、今日は速歩の開始が早いな。でも早くからあっためた甲斐あって、2歩で速歩が出ました。とりあえず軽速歩の指示が出ないので、そのまま速歩。うー、反動きつい。軽速歩の指示が出て、ほっとするくらいです。

軽速歩で歩度を伸ばします。何しろ後ろが飛ばし屋ロッキーちゃんだから、ロゼは相当頑張ってもらわないと、後ろがつっかえちゃうのだ。一応後ろのロッキーの足音を気にしながら走らせますが、意外にもロッキーはそんなに追いついて来ません。お疲れかしらん。
停止の指示が出て止まりますが、ロゼッタは停止は本当に一歩で止まるので、いつもその瞬間に上体を前に持って行かれてしまいます。こんなんじゃダメなんだけど。
「速歩、すすーめ」停止から速歩発進、手綱を引いて溜めて、緩めると同時に蹴りますが、うまく出なーい。仕方ないのでムチを使って、何とか3歩目から速歩。そのまま速歩では止まりそうなので、頑張って脚とムチを使いながら速歩。「軽速歩やめて、速歩」あれ、軽速歩の指示なんて出てたっけ?と思いましたが、たぶんビジターくんが自分で軽速歩しちゃってたんだろうな。
頑張って速歩を続けているつもりなのですが、「高階さん、体が前ー」と言われてしまいます。これはもうずっと言われていることなんですけど、体をどれくらい倒していいのか分からない。自分の気持ちの中では、背中が地面に対して垂直なつもりなんですけど、人から見たらそうじゃないのかなぁ。
言われて上体を後ろに倒してみると、今までよりも鞍の上でお尻がどんどん跳ねます。もう押さえようがないくらい跳ねてしまって、これじゃ私、反動でバランス崩して落馬するんじゃないの、っていうくらい。脚が前に出てしまい、当然鐙もちゃんと踏めないので足が深く入ってしまう。
軽速歩のときには手綱をかなり短めに持っていますが、上体を後ろに倒すとその分肩と拳との距離が遠くなるので、肩が前に出る。手綱をちょっと伸ばしてみると、まぁなんとか肩が引けるかな。
ロゼッタは良く動いていて、後ろのロッキーが5〜6馬身後ろに離されています。少しペースを落とすか、巻き乗りするかして追いつかせたほうがいいのかな。でも必要があればK野さんが指示するだろうし、ペース落とすとロゼッタ止まるし。
と、ぴたっとロゼッタが速歩をやめて止まりました。うわー、久しぶりにやられた。すかさず手綱を控えて、ムチを強く入れてびしっと叱ります。同時に腹を蹴りますが、一発では速歩が出ない。もう一回蹴って、ようやく速歩に戻ります。先週からロゼを良く動かせていると思っていたのに、ちょっとショックだな。

軽速歩でしばらく走り、「速歩に落として、体後ろですよー。停止」速歩になってゆっくりだったせいもありますが、体を後ろにしていたので、今度は停止で上体を前に持って行かれませんでした。これはK野さん、私が停止のときに体を持って行かれるのを見ていて、持って行かれないように教えてくれてるんだな。
ふたたび速歩、「体後ろですよ、もっと後ろ」言われて頑張ってみますが、あまりにも体が跳ねるので、無意識に体が前に逃げてしまいます。「椅子に座らないでください、そんなにべったり座らない。丸太に座っている気持ちで」体を倒そうとすると、お尻というか腰の後ろで座っている感じになっていたかも。でもじゃあ、どういうのが正しい座り方なの?
速歩していると、手綱にぐーっと力がかかってきました。ロゼッタの首を見ると、下がってる。やばい、これはロゼッタの「これからさぼるよーん」というサインなのです。首が下がって、ハミにアゴを乗せて頼り出すと、次は止まってしまう。止まらせないように脚とムチを使いましたが、遅かった。ロゼッタが止まってしまいました。
さっきと同様、ムチで肩を叩いて叱り、なんとか速歩に戻します。「今度止まったら、これでしばきますからねー」と追いムチを持ったK野さんに脅され、今度こそロゼッタをさぼらせないぞ。
何度か首をぐーっと下げられ、軽くムチを入れてなんとか回避。でも走りながらムチを入れると、ロゼッタの首ってひょこんと上に持ち上がるので、なんか跳ねられてるみたいで感じ悪い。
しかし自分が体を後ろに倒すことも意識しながらなので、サインを見逃してしまったみたい。ついに3度、止まられてしまいました。K野さんにしばかれこそしませんでしたが、自分が悔しくて、ビシッ! とムチを入れて叱ってしまいます。障害競技で飛ばない馬をこんな風に叱ってるのを見たことあるけど、知らない人が見たら動物虐待って思われないかなってくらいの強い音。それなのにロゼッタは意に介さないふうで、また2度ほど蹴られてから速歩発進。
あとから思うに、自分の姿勢ばっかりに一生懸命になって、ロゼッタのサインを見逃してしまっていたこと、それからやっぱり手綱が緩かったんでしょうね。こんなに本気で叱らなきゃいけなくなる前に、早い段階でサインを見つけていれば、軽く叱るだけで済んだのに。

いったん蹄跡で停止。K野さんが近づいてきて、「これ外方に持ってください。駈歩しますよ」と長鞭を渡され、短鞭を預けます。内方から鞭を渡されたので、ロゼッタにとっては頭の上を長鞭が通り過ぎる格好。外方に持とうとした瞬間、ひょこんと頭を上下して速歩を出しそうになりました。慌てて手綱を引き、止まらせます。
内方の手綱を控えて、駈歩発進。しかし速歩しか出なかったので、いったん止まらせてやり直し。今度は内方のかかとをちゃんとつけて、こすり上げます。発進は速歩でしたが、2歩ほどで駈歩が出ました。半周ほど調子よく走れたと思ったのですが、この期に及んでサドルホルダーを握っているせいか手綱が少し緩んでしまい、たぐろうとしていると速歩に落ちてしまいました。しかしちょうど、蹄跡で待っていた他の馬の後ろまで1周してきた地点だったので、そこで停止。
順番に蹄跡を駈歩し、また自分の番が来ました。駈歩の持続ができないのは外方の規制が足りないから、とどこかで読んだので、今回は外方の脚もきちんと意識して、内方のかかとをぐっとこすりあげます。と、1歩目から駈歩が出た! 10歩くらい走って速歩に落ちそうになりましたが、かかとをぐっと入れ直すと続きました。1周ほど走って、止まらせます。

常歩で手綱を伸ばし、沈静化。クラブハウスから見ていたAさんが、「今日はちょっと苦戦してるね」と声をかけてきたのへ、「もう全然ダメ!どうしましょう」ロゼが反動の高い馬とは言え、自分がここまで座れないとは思わなかった。
蹄跡を常歩で周るのについて歩きながら、なおも指導を続けてくれるK野さん。「自分で、この辺でいいかなーって思っちゃったらそれ以上上手くならないですよ。上手くなりたいって思って頑張らないと」妥協しないで、頑張って座れということなのでしょう。「うん、上手くなりたい」「ダメなところがあるまんま階段上っていって、上のほうに上ってから直そうとすると、また一番下から上りなおさないといけませんからね。今のうちに直したほうがいいんですよ」
常歩のまま、正反動の姿勢をとってみます。「おなかが下向きになってるから、姿勢が悪くなっちゃうんですね。ちゃんと前に向けて、その状態で体を後ろに持っていってみてください」「これ、鞍の上では後ろのほうに座っていいの?」「いや、後ろじゃダメですね。鞍は一番座りやすいところ、一番深いところで」
お腹に手を当てて自分のお腹の向きを意識しやすくして、体を後ろに倒してみます。「あたし今けっこう腹筋使ってるんだけど、いいのかな」「使いますよ、腹筋は。で、そんなに首に力入れちゃダメ」体を後ろに倒した状態で一生懸命支えているので、肩から首から力が入りっぱなしでした。「正反動は、体中使うんですよ。首とか、体全体が反動で全部動くんです。それで反動が抜けるんですよ」よくお土産屋さんにある、頭をたたくと首がばねでびよんびよん揺れる人形みたいに乗ってればいいのかなぁ。

そのまま常歩で歩いていると、まだ終了の合図がないのに、ロゼッタは自分から馬場中央に入ろうとします。ちょうどK野さんが「もう入ってきていいですよ」と言ってくれたのでいいけど。
馬場中央に馬を並べて、挨拶して下馬。馬繋場がひとつだけ空いていたので、ロゼッタを連れて上がります。馬繋場に繋ごうとしたところへ、Sさんが馬房からコスモを出してきました。「あれ」とお互い顔を見合わせて、一瞬どうするか迷ったのだけど、ロゼッタをしまうよりコスモを出す方が先なので、馬装解除を中止してロゼッタを馬繋場から出すことに。
馬繋場をコスモに譲って、馬繋場の前にロゼッタを立たせていると、馬場からK野さんが「ロゼッタ一回こっちに出しましょう」そうね、馬場を歩かせているほうがマシかも。
ロゼッタを馬場に出して引き馬をしていると、K野さんが「いいですよ」と言ってさっと乗ってしまいました。コスモの馬装が終わって、馬繋場が空いたので馬場にロゼッタを迎えに行き、ふたたび馬繋場へ。ごめんよロゼッタ、無駄に往復させて。

ロゼッタは今日はまだお仕事があるので、ひづめの裏掘りだけで馬房に戻します。
それにしても今日の騎乗は、自分のダメなところが露呈されたなぁ、とアクエリアスのペットボトルをかかえてクラブハウスのテラスでぼーっとしていると、後ろの喫煙所から「高階さーん」とK野さんの声。「何?」とそっちを振り返ると、「へこんでます?」「むっちゃへこんでるよー。ほんと座れないよ、ダメだよー」「今何鞍でしたっけ?」「80鞍越えたとこ。ララミーでレッスン受けたときもね、Wさんにずいぶん言われたんだよ、”もっと後ろ、もっと後ろ”って」「100鞍未満の人に座れっていうのも、ほんとは無茶なんですけどね。もうちょっと乗ったら、45分のうち3分くらいは座れますよ」「…それ、ずいぶん少ない確率だなー」「いや、それが少しずつ時間が長くなっていくんですよ。座れたときは、絶対自分で分かりますから」「あっ今座れてる、って?」「そうそう。ほんの何分か、今座れてる!って思って、またあとは全然座れなかったりするんだけど、それでいいんです。だからそれまでは、どんなにお尻跳ねちゃってても、我慢して座る。体、これ以上後ろに行かないですか?」「行かないっていうんじゃないと思うんだけど…後ろに行こうと思うとぼんぼん跳ねて、前に倒すと少し楽だったりするから、前に逃げてる感じはあるかな」「いくら跳ねてもいいから、そこで我慢、我慢」「そっかー…うん、頑張る」

そのあともクラブハウスで雑談していたのですが、K野さんに「そういえば駈歩って今どれくらいやりました?」と聞かれて、「10鞍くらいだと思う。ロゼとウィンダムとアルでしかやってない」「10鞍しかやってませんでしたっけ?それであれだけ出せればいいですよ」「でも、それはロゼだから」ロゼッタで駈歩を習ったので、ロゼは駈歩が出やすい馬なはず。「いや、ロゼッタは蹴っただけじゃ駈歩が出ないんですよ。脚がちゃんとしてないと」「そうなの?なんか、かかとをくっつけ続けてないと駈歩出ないって思ったことはあるけど」「それが正しいんです。正しい扶助で駈歩出てるんですから、いいんですよ」「たまには褒めてくれるんだぁ」「いつも叱ってるみたいに言わないで下さいよ(笑)」
私があんまりへこんでるんで、ちょっと慰めてくれたのかもしれないけど、でも嬉しいぞ。
馬場のレッスンを眺めていると、Mさん(男性)騎乗のロゼッタが止まる気配もなく元気に動いていたので、「ロゼッタ、あんなに動いてるよ。やっぱり男の人だと脚が違うのかなぁ」と羨望のまなざしを送ると、「違うんですよ」とK野さん。「は?」「違うんですよ。前に馬がいるじゃないですか。2番目だったら動くんですよ。今日は高階さんにちょっと頑張ってもらおうと思って、わざと先頭になってもらったんです」何だそれ〜〜っっ?!
しかしこれだけびしばし鍛えられるようになったのは、要求されるレベルが上がったことなんだと思って頑張るもんね。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
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