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(2002.11.2 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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来週は倶楽部の運動会なので、今日は運動会の練習を兼ねて、11時に馬場レッスンと16時に障害レッスンを組みました。
いつものように10時半頃、倶楽部に到着。倶楽部に着くと、最近肋骨を骨折して馬に乗っていなかったQさんがいて、キュロットをはいていたので「今日乗るの?」と聞いているそばから、「見てこれ、さっき落ちた〜」と砂まみれの肩を見せられました。もう乗ったんかい、っていうか落ちたんかいっ。
ホワイトボードで騎乗馬を確認すると、11時がモンブラン、16時の障害がハイセイコーJR。着替えをして、運動会の打ち合わせもそこそこにモンブランの馬房へ。
モンブランの馬房へ行って声をかけると、モンブランは馬房の中で奥の方を向いたまま、顔だけこっちへ向けましたが、また奥を向いてしまう。まぁ私の存在は認めたようなので、「入るよー」と言って扉の鎖を外し、顔のほうから馬房へ踏み込みます。右側からですが、素直に無口をつけさせてくれたので、引き手もつけると自分から外へ向き、歩き出しました。

馬繋場には自馬の武蔵野キャンターがいて、モンブランは隣の馬房に入る前にキャンターにガン飛ばしている、やめなさいって。
馬繋場につなぐと、もうキャンターを気にしなくなったモンブランですが、今度は前後にステップを踏んで遊び始めます。「モンブランやめなさい、怒るよ」と脚を押さえて言うと、裏掘りをする間くらいは我慢するようになりました。
裏掘り、ブラシと済ませて、毛布とジェルパッドを背中に置き、鞍を取りに行きます。鞍を持って戻ってくると、いつの間にかK野さんがいて、毛布の位置を直してくれていました。「あら、ごめん」「いえいえ」見るとK野さん、日の出の冬用ライディングジャケットを着ています。けっこう日差しが暖かいので、「暑くない?」と聞くと、カットソー1枚の私に「寒くないですか、それ」だって。絶対K野さんの方が厚着なんだよ。教える人が寒いのは分かるけど。

鞍を着け終わり、時間がきたのでハミもかけて馬場に出します。
K野さんが踏み台を持って騎乗の補助に来てくれて、騎乗。腹帯を締め直してもらい、鐙がちょっとだけ長かったので、鐙を調節。
今日の部班はFさんのダンス、Sさんの美星、Cちゃんのコスモ、相方のアルフォンスと私のモンブランの5頭部班。指導はK野さんです。馬場に並んだ5頭を見て、K野さんから順序の指示。ダンス、モンブラン、コスモ、美星、アルフォンスの順で、左手前で蹄跡に出ます。
しばらくの間、常歩で。自分でどんどん動けてしまうモンブラン、K野さんに短鞭をとりあげられてしまいました。

モンブランは普段、どうしても蹄跡どおりに動きたがる子ですが、今日はそうはいかないわよ。隅角では丸くできた蹄跡どおりではなく、できるだけラチぎりぎりを大外回りさせようと内側の手綱を張り、内方脚を使うと、あっさりと外めに出ました。あれ、今日は素直だね?
「歩度をつめ、はやあーし」と言われたそばから、モンブランが自分で歩度を詰めて速歩の準備をするのはいつも通り。そのまま走っていると、前のダンスがあまり歩度が伸びないらしく、追いついてしまいそうです。このパターンは、この間の集中レッスンのときと同じだなぁ、気を付けないと。あのときもモンブランで、前のダンスに近づきすぎて跳ねられたわけだし。
と、できるだけ抑えながら走っていると、K野さんから「ダンス巻き乗り、一番後ろについてください」との指示。これも前回、同じようなパターンでモンブランがダンスにくっついて巻き乗りしようとしたので、今回はさせないために内方の手綱をがっちり抑えて壁を作っておきます。
ダンスは曲がっていきましたが、モンブランは別についていく素振りを見せず、そのまま先頭になりました。あら、素直だね。もしかして、今日はモンブランにとって1鞍目だから、他の人のクセがついてないってことかな。ということは、自分の後に乗った人は私が馬につけたクセで四苦八苦する可能性があるってことか…

先頭になってからのモンブランは、ちょっと歩度が伸ばしにくいみたい。K野さんに、一度取り上げられた短鞭をまた持たされました。モンブランがゆっくりだったせいか、それとも何かに驚いたのか、後ろについていたコスモが駈歩を出してしまったようで、モンブランを抜きそうになって馬場の内側へ外れて行きます。「だめCちゃん、もっとやわらかく乗らないと、ちゃんと抑えて」とK野さんに言われているCちゃんですが、彼女は中学生ながら私よりはるかに上手い人。彼女でもそう言われてしまうんだから、コスモってよっぽど難しいんだなぁ。
そのあともコスモは何度も駈けてしまい、ついには部班に入れなくなって馬場中央で回っていました。

コスモが抜けると、自分の後ろは美星。美星は重いし、乗っている人も経験が浅い人なので、あんまり引き離さないようにモンブランを抑えていかないと。
そうは思うのですが、モンブランは鏡の前はのんびり行くくせにクラブハウスの前では急に飛ばし屋になり、なかなか抑え切れません。
「速歩に落として」の指示で、正反動をとります。反動の高いモンブラン、ものすごくお尻が跳ねるけど我慢して上体を倒します。「先頭モンブラン、もっと歩度詰めて、ゆっくり。そうしたら座れますから」とりあえずスピードを落とすため、一歩ごとに手綱を握って抑えてみます。
するとスピードは落ちるのですが、不器用なモンブランはそのまま止まりそう。「抑えるだけじゃ止まりますよ、ちゃんと脚使って。ちゃんと抑えながら、脚で前に出すんです。それを上手くまとめて」イメージとしては分かるんだが、上手くまとめるということが実感としてつかめない。とにかく鞍に座って上体を起こし、脚を使いながら手綱を控えていきます。すると、モンブランの速歩がずいぶんゆっくりになって、ふっと座れる感覚がありました。モンブランのこの高い反動で座れることなんて絶対ないと思えていたのに、座れるものなんだ。
その感覚は長くは続きませんでしたが、私にとっては貴重な感覚でした。

速歩のまま巻き乗り、モンブランは内へ内へ入ろうとするクセがあり、巻き乗りが小さくなってしまいがち。先頭が小さく巻いてしまうと、5頭部班では後ろが苦労するので、大きく巻かなくてはいけないんだけど。「巻くことより、前に出すことを考えて下さいね」本来なら内方の手綱を開くところですが、それは進入のときだけにして、あとは内方の手綱を壁にして外へ外へ出るようにします。
蹄跡に戻ったところで、モンブランが止まろうとしました。何やってんのよ、止まる所じゃないでしょ。と腹を蹴って、ふと思いついてしっぽを見ると上がっている、ボロがしたかったのかぁ。でも私が蹴ったので「あ、どうしよ」としっぽを上げたまま前に出ようかどうしようか迷っていたので、試しにもう一度蹴ってみると、ボロをしながら走り始めました。ボロをするときはかならずぴたりと停止するモンブランなのですが、ボロをしながら走れるなんて成長したじゃん。私が叱りすぎたせいか?(補足:馬場競技などでは停止は即失権なので、ボロで止まる馬よりは、ボロをしながらでも動く馬の方が良いそうです)

時間が来たので常歩に落とし、沈静化。K野さんから、「歩度のつめかた、間違ってるけどとりあえずそれでいいです」間違ってるけどって…「手綱だけじゃないんですけどね、今はそれでいいですよ」馬を手綱だけで抑え、脚を使っていたのですが、本当は馬を抑えるのに手綱だけじゃなく騎座か座骨かを使う、ということなんでしょう。それは確かに、今の私にはまだできない。
コスモで苦労していたCちゃんに「良く頑張った」と言ってK野さんが乗り変わり、コスモを調教しています。今日のコスモは相当わがままだったらしく、K野さんがプレッシャーを与えて叱る(たぶん)と、反抗して下がったりしている。あの分じゃ立ち上がりかねないから、あんまり近づかないほうがいいんだろうな。
沈静化なのでモンブランの手綱を緩めてみると、モンブランがずいぶん元気良く歩きます。なんか、元気良すぎじゃないの、あんた。緩めすぎてもコスモに近づきすぎて危険なので、手綱はちょっとゆるいくらいにしておきます。
試しに鐙を脱いでみると、モンブランはどう受け取ったのか、勝手に速歩をしようとしました。元気がいいにもちょっと程があるでしょ。おかげで沈静化というのに、あまり手綱をゆるめてあげられないじゃないの。

挨拶し、下馬して終了。モンブランは午後もお仕事があるので、裏掘りだけして馬房へ。ちょうど昼飼いの時間、モンブランはがつがつ食べていました。食いしんぼめ。
(96鞍目へ続く)

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