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(2003.12.29 市原・TOMOライディングクラブ)
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レキシントン
レキシントンくん、またの名を熊五郎(笑)。
毛刈りをしてあるのですが、すっごく毛深いので、
膝下に残してある毛がまるでプードルのよう。
冬休みに入った今日は趣を変えて、馬友達のBOSSの知り合いのクラブ、TOMOライディングクラブへ。オーナーのT先生は全日本馬場に出場したりする選手でもあります。
市原市にあるTOMOライディングクラブは、とても電車で行ける環境ではないので、車のない私たちはBOSSの車で拾ってもらいました。アクアラインを通り、田んぼを抜けて林道に入り、ラブホテルの並ぶ小道(郊外によくありますよね)に入ると、ようやくそこがTOMO。酔い止めがわりのミントキャンディ持ってきておいて良かったー。

到着してすぐ騎乗ということになったので、更衣室を借りて着替え。今日はビジターなので30分1鞍、わざわざここまで来て30分だけってこともないだろーと思い、2鞍申し込んであります。まず午前中の1鞍は馬場で、相方と2頭部班。私のお相手はレキシントンくん、TOMOさんに来てまだ1ヶ月にならないということですが、おとなしい子です。BOSSに聞くと、レキシントンはすっごく軽いので拍車も鞭もいらないということ。拍車なしで馬に乗るの、久しぶりだぁ。
ここではビジターといえども馬装からやるようです。馬繋場の目の前にあるレキシントンの馬房へ。馬房はゴムでカバーした鎖を張ってあるだけなので、それを外して中に入り、無口を着けてレキシントンを出します。馬繋場に入れて無口を見ると、引き手が2本ついていて、馬繋柱の方には鎖がついてない。ってことは、無口につないであるほうの引き手を馬繋柱につないであげるやり方なのね。馬事公苑の試合のときに、引き手の結び方をBOSSに習っておいてよかった(エンデュランスのときにも役に立ったし)。

馬繋場で蹄の裏掘りをしようとして、びっくり。この子、蹄鉄はいてない。BOSSに「蹄鉄はいてないー」というと、「ここに来たときにはいてなくて、どうしようかって言ってるうちにタイミング逃したらしいよ」ということ。鉄はいてない爪って、裏掘りが楽でいいんだけど。
するとスタッフのFさん(女性)が「その爪、ちょっとこっちでやるんでー」ということで、右前の爪に何か処置をしたあと(あとで聞くとちょっと蟻洞なので、爪に空いた穴にコットンを詰めていたそうです)、粘着包帯のようなバンテージで爪をぐるぐる巻きにしていました。
首から下、膝のあたりまでをまんべんなく毛刈りされていて、毛色が薄く見えるレキちゃん。短くなった毛にブラシをかけると静電気がバチバチ起きて、私も痛いけどレキちゃんも迷惑そうです。

Fさんに手伝ってもらいながら馬装を終え、レキシントンを引き出します。ここでは馬場の外で騎乗するようで、ビールケースの踏み台の側で馬を止めます。BOSSに補助してもらって騎乗。腹帯を締めなおしてもらって、鐙の長さを合わせようとすると、レキちゃんがとことこ歩き出しました。「こいつ軽いから、そうやってムダな脚使ってると歩き出すよ」あらー、そんなに軽いのか。ふだん重い馬にばっかり乗ってる私、ついていけるのかい。「あわてないでいいから、口持ってるから鐙合わせて」と、BOSSがレキちゃんの口をとってくれたので、脚を当てないようにして鐙を合わせます。
BOSSの言うところによると、レキちゃんはすっごく口が柔らかいので手綱を引っ張らないで乗るように、あとバランスのオニだからちょっとバランス悪いと踏歩転換されるということでした。まぁ私はロゼッタにしょっちゅう踏歩転換されているから、慣れてるっちゃー慣れてるけど。

馬装チェックを終わって、馬場へ入ります。今日はあったかいけど、けっこう風があるな。市原は海が近いから、普段からこんなもんなのかしら。
レキシントンは、ほとんど脚を使わなくても、首を使ってきちんと歩くので、ちょっとおっかなびっくりな私。馬場の外から「そんなに手綱持たないで、最初は全部緩めちゃってー。そいつゼッタイ暴れたりしないから」とBOSSの声。へぇ、これでもかなり緩めに持っているつもりだったんだが。手綱をぶらんぶらんにして常歩で蹄跡を歩かせていると、私のバランスが傾いている方向にふぅっと入ってくる。確かにかなり敏感な子だ。
ジーガーくんに騎乗した相方が馬場に入ってきて、T先生も馬場に入ってきました。先生に短鞭を持たされましたが、これを思いっきり使うことはたぶんないだろうな。
「レキシントン、ジーガーの後ろにくっついちゃって」ということで、相方の後ろで2頭部班。速歩の号令で、常歩から速歩に移行。ちょっと脚で圧迫しただけですぐに速歩が出ます。本当に軽いなー、この子。軽速歩で走らせていると、私ってこんなスピードについていけるのかぁ、と思うくらい前に出るのですが、それでいて引っかかるような不安感はありません。

しばらく馬場全体を使って周回していると、T先生に止められて「おふたりとも鐙が少し長すぎたね? 中に入ってきて鐙合わせましょう」ということで、馬を止めて鐙を合わせ、ふたたび軽速歩。我ながらよく鐙が外れるなー、と思ってはいたのですが、長さを1穴つめてもやっぱり外れやすいみたい。
軽速歩で注意を受けたのは、「そんなにいい姿勢で乗ろうと思わなくても良くて、もう少し前傾してもいいから、自分が少し前に出ていくようにするの」あぁ、軽速歩では少し前傾してもいいっていうのは、以前ヒロ牧場に行った時にも言われたっけ。「常歩だったら1歩で90cm、速歩だったら1.5m、駈歩だったら3mくらい(この辺の数字うろ覚えです。違っていたらすみません)前に出るわけだけど、鞍の上で自分もそれくらい前に移動するつもりで、馬の動きに合わせてあげて」

また、軽速歩でも速歩でも、「拳を下に押し付けない」ようにと言われました。「拳を下に推し付けようとしてるから肘が突っ張って、逆に拳ががたがたする」ということ。確かに私の騎乗姿勢って、写真などで見ると肘がまっすぐなことが多いです。自分としては、乗っているときに拳が上下にがたがたするクセというのは自覚していて、でもそれを直すのにどうしていいか分からなかったので、き甲のあたりに拳を固定すればいいような気になっていたんですね。初心者のころに「拳下げて」と言われまくっていた名残りもあるでしょう。で、自動的に肘を突っ張っていたらしい。
「もう少し拳は高めでいいから、拳はハミに合わせて、前後に動くようにする。前後にやわらかくしておけば、上下には動かない」ということでした。「拳で引っ張らなーい!」というのは何度も言われて、「いいですかー、ハミと拳の間は糸電話。コンタクトは持っておくけど、引っ張らない、たるませない」だそうです。
私は「拳をやわらかく」と言われたときに、手首のことしか考えていなかったんだけど、「どこでやわらかくしておくかっていうのは、肘です」と言われました。肘をちゃんと曲げておかないと、馬の動きについていく準備ができないということですね。コンタクトをとるとき、止めるとき、前後の動きは肘から動かすように指導されました。

だいぶ拳がやわらかく使えるようになったかなー、と思ったころ、たぶんT先生が「次の隅角から駈歩」と言ったように思うのですが、風が強くなってきていて、あんまりちゃんと聞こえませんでした。ほんとうに駈歩の指示だったのかなぁ? ときょろきょろしていると、前の相方が駈歩に。あ、やっぱり駈歩の指示だったか。レキシントンもつられてたたたーっと速歩になりますが、この速歩から駈歩に移行させるのはイヤだなぁ、いったん止めて常歩から発進したいところ。「KYOKOさーん、外方引いて」駈歩発進が分かっていないと思われたみたい。いったん常歩に落としてから、あらためて駈歩発進します。
おーおー、ロゼと違って力強い発進。でも大きく首を下げたりしないので、安定はしてるな。でも何だろう、この上に向かう反動。1完歩ごとにがつん、がつんと上に向かうような短いストライドの駈歩で、全然座れない。「拳そんなに固めないでー」あ、そういうことか。私としてはかなり手綱を緩めていたつもりだけど、レキちゃんにとってはこれでも短くて走りにくいんだ(それでも一応駈歩はするところが偉い)。手綱を思いきって5センチくらい緩め、意識して拳と肘を馬の首の動きに合わせていくようにすると、だいぶのびのびとした歩様になってきて、座れるようになりました。それでも反動高めではあるけど。

「じゃあ手綱伸ばして、しばらく歩かせましょう」あれ、もう沈静化? 普段のレッスンは50分だから、30分って短いなぁ。馬を前に出すのに全然力を使わなくて済むので、あんまり疲れていません。
馬場の外に出て下馬、馬繋場が空いていなかったので馬房の中で馬装を解除。クールセンサー(汗で冷えるのを防ぐ軽い馬着)をかけておきます。
人間のほうも昼食をとってから、午後にもう1鞍、本日の2鞍目。私は同じくレキシントンくん、相方は障害レッスンなので馬が替わり、サニーボーイです。
同じ時間に馬場に出ましたが、相方は障害、私は馬場とやることが違うので、指導もそれぞれ別になりました。相方は引き続きT先生、私の指導はFさんです。

馬場の外で騎乗して、馬を馬場の中に入れます。午前中よりも風が強くなってきて、こんなんで跳ねないのか馬は、と思いましたが、案外平気そう。
手綱をゆるゆるにして常歩、しばらく歩かせます。馬場の中央では相方が障害を飛ぶので、私の練習場所は基本的にラチ沿いの蹄跡。Fさんの指示で軽速歩に移行。Fさんにもまず、「拳を下に押しつけない、肘を突っ張らない」と言われてしまいます。肘をつっぱらないためには、あんまり手綱を短く持つとダメだし、自然に馬の口の動きを気にするようにもなっていきます。フリースペースの駈歩外乗のときにも思ったことだけど、私ってふだん、いかに手綱に頼って乗っているかってことだな(ふだん乗っている馬が、引っ張らないと駈歩が出ない、口のかたい馬だってこともあるけど…)。

軽速歩していると、まぁよく鐙が外れること。この鞍についている鐙は踏むところが可動式になっていたので、それで鐙が安定しにくいってことはあるかもしれないけど、それにしても外れるのは右ばっかりです。
Fさんもそれに気がついたようで、「もうすこし右に乗って。バランスが傾いてるから右ばっかり外れるんだと思いますよ」うぅーむ、なるほど。実際、(最近は気にしてやめるようにしているけど)荷物をつい左肩にかけるクセがあるとか、足を組むときのクセだとか、私って普段から左重心かも。
また、右のつま先だけが外を向いている、という指摘も。つま先が外を向いている、というのはつい先日O先生にも言われたばかりだけど、そうか右だけなのか。

巻き乗りの指示をされたので、速歩におとして巻き乗り。ほんと、「バランスのオニ」とBOSSが言うとおり、手綱を使わなくても体のバランスだけで曲がっていってくれる。あまり内側に切れこんで来ない子なので(前進気勢があるからか?)、外方の手綱はほんの少し張る程度にして、内方を引っ張らないようにします。「軽速歩のままでいいですよー」ということなので、次からは軽速歩で巻き乗り。軽速歩だと外方脚は使いにくいんだけど、ペースが崩れにくいんだな。
馬場の真ん中では、相方のサニーボーイともう1頭が、横木またぎから始めました。急に横から走って来られたらレキちゃんびっくりしないかしら、と常に障害のほうを視野に入れておくようにしていましたが、レキシントンはいたって落ち着いたものでした。

常歩から駈歩の指示。さっきは前の馬につられて出ただけかもしれないしなぁ、と思ったのですが、駈歩の扶助にはとても素直についてくるレキシントン。今度は発進のときに手綱を固めないように、そのあとも首の動きに随伴するように気をつけながら駈歩。
自分で内方の膝が縮こまってるな、と思って膝を伸ばそうとした瞬間に、踏歩転換されてしまいました。でもロゼッタの踏歩転換と違って安定した感じ(ロゼのは踏歩転換の瞬間にがん、と突き上げられる感じの反動がある)なので、そのまま反対駈歩でも走っていられる。いられるけど、できれば正駈歩に戻したいなぁ。もう一度内方脚を強めに入れて、外方を大げさに引いてみます。ん、踏歩転換したかな? してないのかな? お尻の下の動きがまともになっているように思ったので、正駈歩になっていると思うけど、あんまり自信ない。でも走れてるしな。

だけど踏歩転換されたのはこのときだけで、BOSSには「ロゼッタよりも敏感」と言われたけど、ロゼッタほどじゃない。というか、ロゼッタの場合は反動が固すぎて1歩ごとに突き上げられているから、私がバランスを崩しやすいということはあるのかも。
これで30分のレッスンは終わり、レキシントンの手入れをします。馬繋場に入れて馬装解除し、足を洗います。そのあと、「セーム革って知ってます?」とスタッフのM子さん。カー用品店なんかで売っている合成皮革だそうですが、ものすごく吸水する。これを、ムトウハップを入れたお湯に浸してやわらかくし、軽く絞ってから、馬の脚を拭くのに使います。濡らしてから使うものなのに、本当にあっという間に水気が取れるし、セーム革についた馬の毛は、軽く振れば簡単に落ちます。しかもいちいち洗濯機回さなくてもいいし、これってものすごいスグレモノ。ぜひ全国の乗馬倶楽部に流行らせるべきだ(←大げさ?)。

ちびのさくらちゃん
ちびポニーのさくらちゃん。体高1メートルあるかなぁ?

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