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(2003.4.12 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
試合→
明日はいよいよ、ララミー牧場での試合。今晩からI野先生の車で八ヶ岳に向かうことになっているので、試合前の最終練習を15時から入れています。
ところが、倶楽部に向かう途中から雨が。天気予報は確かに雨だったけど、雨に濡れるのはイヤだなぁ。しかも試合用の白キュロットしか持ってきていないし、試合の前日に風邪引きましたー、ではシャレにならないし、キャンセルしようかな、と思いつつ倶楽部に向かいます。

武蔵増戸の駅に降り立つと、だいぶ小降りにはなっていました。歩いて倶楽部に到着、まさか乗ってる人はいないだろうけど…って、いるよ、しかもたくさん。
まぁ様子見ながら考えるか、と取りあえず着替えをすませると、「なんで今からもう白キュロ着ちゃうの〜」と周りに冷やかされまくり。「だって荷物になるから、これしか持ってきてないんだもーん」と言いわけしていると、馬場で指導をしていたI野先生までが、馬場の中から私に向かって「落ちたりして汚すなよ、それ」って。それにしてもこの白キュロ、通販のバーゲンで買ったからちょっとサイズが小さめで、腰回りがきついんだよねー。
そうこうしていると時間がなくなってきたので、急いで今日の騎乗馬、ウィンダムの馬房へ。

ウィンダムの馬房に行って声をかけると、すぐ鼻を扉に押しつけてきます。引き手と無口を持って扉を開けると、いつものように首を下げて、無口をかけやすいようにしてくれます。無口をかけ、引き手をつけて馬繋場へ。
蹄の裏掘りをしてブラシをかけ、馬装をはじめます。まず前肢にプロテクターをつけていると、馬場のほうではレッスンが終わったようで「馬はいれるー? 」と声がします。次のレッスンにはウィンダムを含めて3頭出るのですが、今馬場には4頭。これは入れるわけがない、急いで馬装を済ませて馬繋場を空けないと。相方は噛み癖のあるアルフォンスで四苦八苦しているので、馬装の楽な馬に当たっている私がさっさと空けないと、いつまでも馬繋場が空かない。
急いでタオルや毛布、ゲルパッドをウィンダムの背中に置いていると、初心者さんの手入れを見ていたK野さんが「たかしなさん」とこっちに声をかけてきましたが、相方も私も同じ方向にいたので、どっちのことか分からない。私が「どっち? 」と聞くと、K野さんは一瞬悩んで「…おねえさまの方」「なにそれ、なんか余計腹立つー」確かにK野さんより8つも年上だけどもさー。用事は、「ウィンダムに僕の鞍使って下さい」ということでした。

馬装を終え、ウィンダムを連れて馬場に降りると、フロスティを連れたIさんが待っていました。まずいまずい、ボス(馬事公苑の試合以来、彼女はそう呼ばれるようになってしまった)をお待たせしてしまった。
雨はもうほとんど降っていません。K野さんが踏み台を持って出てきてくれたので、補助をうけて騎乗。鐙に立ってみると、明らかに「短すぎだよね」「そうですね、1穴長くしましょう」と、鐙を伸ばします。
そのときに気がついたのですが、久しぶりに履いたゴム長靴が、鞍に当たるとキュッキュッと言うのです。うわー、ゴム長ってこんなイヤなもんだったかな? これじゃ鞍の上を滑らないから、脚の動きが制限されちゃうじゃん。あとで考えると、借りた鞍はビニール製だったので、余計にゴムとぴったりスタックしちゃうわけですね。

馬場に馬が揃ったのでレッスン開始。今日の部班は3人とも、明日の試合に出る選手です。
ホクト、ウィンダム、アルフォンスの順を指示され、左手前で蹄跡へ。拍車をつけているので、ウィンダムは彼なりにはちゃんと歩いているのですが、前のホクトが早いから少しずつ離されてしまいます。こんなことではいけないなー、と少しショートカットすると、ウィンダムは「へへっ」と悪ノリして、どんどん内にささっていこうとします。ふざけんじゃないわよ、と鞭をぱしっと入れ、内方の拍車でぐりぐりやって蹄跡へ。
「歩度をつめ」拍車を強くすると、ちゃんと反応します。「はやあーし」すぐ速歩にはなりますが、だらだらした歩様。拍車を入れてもあんまり変わらず、K野さんの指示で軽速歩をとっても、ホクトに追いつくのはけっこう厳しい。

「順次、巻きのーり」さすがに全員が試合前日だから、「軽速歩のままでいいですから」なんてアロウワンスはもらえないらしい。速歩に落とし、ホクトの後ろについて巻き乗りしたものの、前のホクトよりもどんどん内側に入ろうとし、「ホクトより外に出して、そこで止めない止めない」と言われているそばから常歩に落ちてしまいました。くそー、悔しい。
ふたたび順次巻き乗り、今度は進入の前に「ホクトより奥から入って」と、K野さんから入り口を指示されます。進入から大きい円を描いていれば、ホクトよりも外側に出られようというもの。それでもやっぱり中に入りたいウィンダムですが、内方の拍車で押し続け、どうにか速歩のままホクトと同程度の円を描くことができました。
でもゴム長を履き慣れていないので、なんだかブーツの中でかかとが泳いでるような感じで、拍車の存在が感じにくい。今イチやりにくいな。

蹄跡から速歩。「歩度をつめて」で、スピードを落とすと「『歩度をつめる』と『スピード落とす』は違いますよ。ちゃんと脚も使って」うーん、さすがに今日のK野さんは厳しい。
ララミー牧場のW先生に教えてもらったときはかなり上体を後ろに倒すように言われたので、明日の試合では採点者がW先生であろうことを考えると、上体をかなり倒したほうが点数がいいに違いない。そう思って上体を倒してみると、意外なことに気がつきました。このキュロット、腰回りがきついからしっかりサポートしてくれて、腰が張りやすいのです。上体を倒すときに、「もっと腰張って」と以前K野さんに言われていましたが、このキュロットだったらやりやすいんじゃん。いいぞぅ。
反動の少ないウィンダムだから速歩が苦にはならないのですが、でも今日は速歩の練習がずいぶん長いな。

ここで、I野先生が馬場に出てきました。昨年暮れから少し腰を痛めてしまわれて、時間の短いビジター指導でしか馬場に立たれていない先生ですが、明日試合に出る私たち(私だけ?)をよっぽど見かねたのでしょう。K野さんから少し離れたところに立って、びしびし声を飛ばします。
「もうちょっと脚引いて」「自分の頭が馬より先に倒れてるぞ、ちゃんと前を見て」「ふとももで乗らない」「鞭使うなら、肩じゃなくて腹に入れて」もう、どれがI野先生でどれがK野さんに言われたんだか、今となっては分からないくらいにぽんぽん指示が飛んできます。
I野先生が、「今乗りにくい馬乗ってるんだから、乗りやすい馬に当たれば楽勝じゃないか。もう万年4位は卒業だぞ! 」くぅ〜〜、それを言われると。確かに、ちょうど一年前のララミー牧場での試合も速歩部班で4位、正月の八王子の試合も5級認定者班で4位。今度こそ、という気持ちは私にもあります。
腰を張り、内方の座骨を落とす感じで内方の拍車を使いながら巻き乗り。あっ、今のけっこういい感じだったかも。

速歩のまま輪乗り、ウィンダムは前に馬がいると内へ内へとささろうとするので、叱ろうと思って両脚でウィンダムの腹を蹴ったら「蹴るんなら脚離さないで蹴って」とK野さんからすかさず注意。
できるだけ拍車で外へ押し出して、それを外方の手綱で受けて…とやりたいのですが、なかなかウィンダムを外へ押し出せない。以前、ものすごくいい感じで屈撓してくれて、斜め横足っぽいことまでできたのに、今日はぜんぜん上手くいかないや。前の馬に追いついてしまうと、どうしてもそれより内側へ入りたがるので、少し抑えてホクトから距離をとります。そうすると思った通りのラインで輪乗りができるのですが、ちょっと追いついてしまうともうダメ。「言うこと聞かないなら、鞭」とK野さんに言われて鞭を入れますが、今度は首を振る。かわいくないなー。
いつのまにか、I野先生はまたクラブハウスにお戻りになっていました。

輪乗りから、「ホクトだけ蹄跡に出て、あとの2頭は内で常歩」あ、やっぱ駈歩はやるのね。
ホクトに乗るSさんは、明日の試合も駈歩班に出る人なので、当然安定した駈歩。Sさんの駈歩が終わって、「はい、内に入ってきてください。次ウィンダム、蹄跡から駈歩」
左手前で蹄跡に出した瞬間から、馬が雰囲気を感じ取っているのか、とっとっとっと速歩を始めてしまいます。「違うよ、ウィンダム」と停止させ、駈歩の体勢をとりますが、やっぱり速い速歩が出るだけ。ダメだ、と止めさせて、もう一度呼吸を整えます。体勢を整え、拍車を強く入れているつもりなのですが、やっぱり速歩が出たので、また停止。「駈歩出すところ教えてあげるだけ、そこは駈歩出すところじゃありませんよね」隅角で、馬の体を丸めてあげてから出せということか。
今度こそ出すぞー、と再挑戦しようとしたとき、クラブハウスのほうから(たぶん)ボスの叫ぶ声がします。頑張れと言ったのか、自信を持てと言ったのか、言われた内容は分からなかったのですが、それをきっかけのようにしてぽんと駈歩が出ました。駈歩さえ出てしまえば、もともと反動の少ないウィンダムですから、気持ちのいい駈歩をしてくれる。けど、今日のはちょっと速くないかい、ウィンダム。もう少し馬術らしい、つめた駈歩ができないかなー、と思って手綱を控えてみたら、駈歩をやめてしまいました。抑えかたが間違っていたらしい。
ふたたび駈歩を出し、今度はスムーズだったので続けさせようと思ったのですが、クラブハウスから鏡に向かうところで、鏡の手前で速歩に落ちてしまいました。そうだ、ここってわずかに登り坂になってるから、こいつはここを登り切るのが苦手なんだった。

「半巻きして、蹄跡から駈歩」常歩で半巻きをしようと思ったら、ちょうど行きたいところにホクトとアルフォンスがいたので、それを避けて大きく半巻き。K野さんに「どこまで行くの」と言われましたが、正面からメンチ切るのイヤだもん、こいつケンカっぱやいから。
右手前で蹄跡に出て、やっぱり1度目は速歩が出てしまいました。すぐ止めて、扶助をやりなおすと今度は簡単に駈歩が出ました。やっぱり少し速めのような気がするけど、今度は続けさせよう。「外方引いて、外方引いて」とK野さんに言われ、外方を意識しながら内方の拍車をぐりぐり。どうにか1周弱、駈歩を続けることができました。
馬場中央に馬を引き上げると、K野さんが「ギャラリーの言うこと気にしちゃダメですよ」と苦笑いしながら言うのですが、「大丈夫、何言われたか分かんなかったもん」。

つづいてアルフォンスが蹄跡で駈歩をしている間、馬場の内側で小さく輪乗りをしていたのですが、ホクトより外側に出ろと言われるのがイヤなのか、私が手綱を持ちすぎたのがイヤなのか「もういいだろぉ!?」と首を振るウィンダム。そのたび鞭を入れて叱るのですが、またすぐ首を振る。感じわるいなぁ、と思いながら歩かせていたら、K野さんが「ハミ受け要求してみて」と言います。えっ、私それやったことないんだけど。でも人がやってるのを見たことはあるから、ちょっと拳を開いてみると、「そう、それで右、左、右、左、交互に手綱を引いてみて。そいつ、簡単に首下げますよ」言われたとおりに、左右交互に手綱を引いてみるのですが、あまり効果が分からず、また首を振られてしまいます。「あんまり引っ張ってもダメ」そう言われて、拳を左右交互に握る程度にします。「頭が下がったら、ゆずらないで我慢して」うーん、けっこう引っ張られてる感じはするんだけど。
残念ながら、今ハミ受けた! というのは実感できませんでしたが、やり方は分かったから、今度からチャレンジしてみよう。

全員駈歩を終わり、もう時間がきていたのでそのまま手綱を伸ばし、蹄跡に出て沈静化。試合に向けて、いい感じで乗れて良かったかも。
何周かしてから、「入ってきていいですよ」というK野さんの指示で馬場中央に入り、馬を並べて挨拶。下馬して、馬繋場にウィンダムを連れて行きます。
今日はウィンダムはもうお仕事は終わりなので、脚を洗ってやり、馬体を濡れタオルで拭いてやることにしました。鞍の下とか帯道とか、けっこう汗でガビガビになっています。私そんな激しい乗り方してないわよぅ、と思いましたが、ウィンダムにとっては今日は3鞍目だったのらしい。そりゃ汗もかくか。

馬の手入れを終えて着替え、メンバーも揃ったので、I野先生の車に乗り込んでララミー牧場へ向かいました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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